こんにちは! 蜻蛉です。ロンドン五輪閉幕後、ご無沙汰しております。この間、日本開催のFIFA・W杯、女子U−20の試合と 新潟開催、キリン・チャレンジ・カッ プ、サムライブルー日本代表対アラブ首長国連邦(UAE)代表の試合をTVで観戦した り、私が母校慶応義塾大学ソッカー部現役時代だった頃の監督と選手の集いがあり、約半世紀ぶりに懐かしい面々に再会して感激、美酒を交わしながらサッカー談義で、楽しいひと時を過ごしました。
さて、明日はFIFA・W杯ブラジル大会、アジア最終予選、日本対イラク戦が埼玉スタジアムで行われます。
きょうは、この試合に先立ち(9月6日)行われました日本対UAEの試合にて、サムライブルー日本代表に、いくつかの不安な点が見られましたので、そのコトについて話し合いたいと思います。
「ドーハの悲劇」を忘れてはいませんか? 今回の相手は、その悲劇を演出した当事国、“イラク”ですよ。イラク代表のジコ監督が元日本代表の監督だったせいか、そちらの方にスポットが当てられ、もう過去のコトだ、と話題にもなりません。
ブラジルが地元開催(1950年)W杯決勝でウルグアイに逆転負け、その後、その試合は今日まで、マラカナーソ(マラカナスタジアムでの大悲劇)と、語り継がれてきているのですよ。
これは一つのモチベーション(動機付け)になると思うのですが、相手はイラクなのに、ジコが日本のサッカーを完全に熟知しているからと、まるで日本対ジコが対戦するかのように、マスコミがジコの話題で、イラクへの矛先をかわしてしまっているかのようです。確かに、現在の日本にとって、イラクは強敵です。
同じ中東のUAEに1−0で勝利したものの、今回の日本の選手たちのコンディションは、どうヒイキ目に見ても良好とは言えません。
対UAE戦のスタメンはGK川嶋、DF(右から)酒井宏樹(酒井高広)、吉田、伊野波(水本)、駒野、MF(ボランチ)長谷部(細貝)、遠藤(高橋)、(アタッカー右から)清武、本田(中村)、香川(岡崎)、FW(ワントップ)ハーフナー(カッコ内は交代選手)でした。
次に日本代表の不安な問題点をいくつか挙げてみましょう。:
(1) DF内田、今野、栗原の3人が出場停止の穴が埋まらないコト。
(2) MFキャプテン長谷部の実戦(試合)感覚が不足しているコト。
(3) 香川と本田のポジションと機能が噛み合っていないコト。
(4) 左サイドバック長友がケガの状況次第で欠場するコト。
(5) チームとして、ストライカー的な決め手になる選手がいないコト。
(6) 組織力で動く日本サッカーの欠点は、チーム内のある選手の不調による虚から、自然崩壊する怖れがあるコト。
右サイドバック内田のポジションに酒井宏樹が入りました。ロンドン五輪前の壮行試合から対ベネズエラとこの試合まで、彼のプレーを注目してきているのですが、昨年末のW杯クラブ選手権での柏レイソルの酒井宏樹とは比較にならないほど、すべての面で低下しています。特に守備の面での技術的な欠陥がみられます。その欠陥とは、彼の胴体の動き(丸めたり、反らしたり、伸ばしたり、縮めたり)が硬く、骨盤が、肋骨から離れず骨盤の周りの筋肉が膠着して、回転せず、そのため、腰から下腹部、腰から臀部にかけての筋肉がよく動かないし、そこに連動している腿も、思うように動かないのです。
逆の場合には楽に動かせるので、マークやタックルの動作における、体重移動も敏捷でスムーズにできる。キックも股関節が骨盤から分離して、正確でコントロールしやすくなります。(パスミスやケガの原因は以上のような問題があるからです)
センターバックの吉田は今野とのコンビのように、伊野波と水本とは噛み合っていないようです。両者はポジションの取り方と詰めに甘さがあるようです。
MFの長谷部はドイツのクラブでの長い間の欠場が影響してか、試合の感覚を取り戻していないようです。プレーの判断や動作にズレが見られ、以前のような活躍を期待するのはむずかしそうです。目先を換えて他の選手の投入も考えられそうです。
ザッケローニ監督はトップ下に本田を置くコトを固守しているようですが、これまでの試合を観てきて、香川が欧州で活躍しているような冴えが見られないのは、どうしてなのでしょうか? 両選手とも素晴らしいのですが、私の考えでは、本田の利き足が左、香川は両足という点で、香川を中に、本田を左に位置させた方がよいのでは、と私は見ています。ポジションチェンジで香川が中に位置するコトもありますが、本田に対して、日本人的な遠慮が見られます。ペルーでも香川のドルトムンドでの試合をかなり多く観ていますが、彼の上手さは彼が軸になって、周りを動かし、瞬間的にリズムを変えてスペースをつくり、味方を活かしたり、自分自身が活きる、知的な駆け引きをするプレーが彼の素晴らしさなのです。左サイドではその特性を活かせず、しかも中に本田がいるコトで、制限されているようです。
どちらにせよ、ポジションや使命は監督が決めるコトなので、あくまでも、こういう見方もあるよ、というコトです。
長友の出場は欠かせません。もし欠場となれば駒野か酒井高弘が入り、右サイドは酒井宏樹か駒野となり、どうしても守備の面で不安を抱えるコトになります。
守備の不安に加え、前哨戦2試合で2点というのも不安材料です。ストライカー不足は短期に解決できるコトではありません。本田、香川の他、岡崎、前田、藤本、ハーフナーといますが、岡崎にもう少し本田のような性格があれば、ストライカーになれる可能性が一番近いのですが、どうでしょうか?
最後に、日本サッカーの組織力と機動力はセールスポイントですが、11人の中で何人かがブレーキになってチーム内に虚ができれば、そこから崩れてしまう怖れもあります。特に、ディフェンス面での両サイドバックの裏やセンターをドリブルで突かれた場合に、連携ミスを誘発する危険があるコト、セットプレーでのチョッとした虚を突かれるのを防止するためにも、集中するコトとコントロールするコトは、守備においては欠かせません。一つのミスがお互いの信頼感を失い、その後、次々と連鎖反応のようにタイミングがズレて、自滅してしまう、というケースもあるのです。
ジコ監督にしても、対日本は複雑な心境であるはずですが、百戦錬磨のプロです。彼はイラクが勝つコトしか考えていないはずです。社交辞令で敵視するような発言はしてませんが、相手はイタリア人の監督ですから、そんな意識はないと思います。
ジコの兄さんのエドゥーアシスタントコーチはペルーのクラブチームの監督をしてい
たとき、偶然同じ車に乗って話し合ったコトがあります。彼も鹿島アントラーズで監
督していましたので、日本のサッカーや選手をよく知っているコトから、明日の試合
は、ホームであっても勝つコトは容易ではないと予想しています。
そうならないよう、しっかり応援しましょう。
「がんばれサムライブルー日本!」
グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ
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