
こんにちは! 蜻蛉です。今月はサムライジャパン日本代表がヨーロッパにて、欧州と南米の強豪、フランス戦(12日)とブラジル戦(16日)の親善試合が予定されています。昨日(4日)、日本代表のメンバー23人が発表されました。幸いにも、前回にストライカーの一人の例として取り上げた、乾貴士(フランクフルト)選手が召集されました。ぜひザックジャパンの戦力になって活躍してもらいたいですね。
さて、きょうも前回のテーマ(ストライカーの内部感覚)の続きを述べてみようと思います。
日本代表の得点不足の原因は、外国の一流チームと比較して、これといったストライカーがいない、と見る向きもあるようですが、果たしてそうなのでしょうか?
日本のFWやMFを体力、技術、戦術の角度から覗いてみますと、体力や技術の能力に関しましては、一流国の選手と比較して、それほど遜色はない、と思います。しかし、戦術に関しては、一様外観の形は整っているのですが、まだ、内部の機能が未完成のように思われます。
その内部の機能というのは、たとえば、トップのFW前田や右サイドのアタッカーFW岡崎は、十分得点に絡めるだけの動きのあるプレーをしているのですが、あまりにも、守備にも忠実に動き過ぎて、肝心のゴールに絡む駆け引き(余裕)が不足しているように思われます。
ペルーのジェファーソン・ファルファンという選手が、ドイツのシャルケ04で日本のDF内田と組んで、岡崎と同じポジションでプレーしていますが、オランダのアインドーベンでプレーしていたころは、かなり得点を決めていたのですが、現在のチームに移籍されてからは、攻守に活躍しているのですが、ストライカーとして最も期待される、直接ゴールに絡むプレーが少なくなっているのです。
バルセロナのリオネル・メッシ(アルゼンチン)も同じポジションでプレーしていながら、ゴールを大量生産しているのです。どこに違いがあるのでしょうか?
メッシは左利きですから、岡崎やファルファンのように縦へのドリブルは少ないのですが、内側へ向かってドリブルしながら、味方の選手を上手く利用(このときに身体の内部感覚を操作)し、ゴール前で見え隠れしながら、サッとゴールを決めてしまう能力があるわけです。
メッシはその内部感覚で、他の選手が2メートル必要な仕事を、1メートル内にてできる技術能力あるからできるのかもしれません。しかし、たとえメッシがそれだけの能力があっても1人では限度があります。見落としてはならないのは、メッシがドリブルしだしたときの、他の味方選手の動きです。最近良く使われている言葉でいう、「連動」があってこそ、メッシが活き、他の選手も活きてくるのです。
香川がオフサイドぎりぎりにスルスルと入り込み、瞬間、マークする相手から離れた方にボールと一緒に反転し、何の力みもなく左足で流し込むようなシュートで決めました。このプレーで注目されるのは、一つはポジションのとり方であり、もう一つは、狭い範囲内で、流れるようなプレー(トラップからシュートへ)で得点したコトです。この一連のプレーは「リラックス」した身体の「内部感覚」で操作していたからこそ、相手GKは香川の動作を読めず、タイミングが合わなかったのだろう、と私はそのように感じました。
乾の単身ドリブルを身体的な面から覗きますと、直線的に相手GKに向かっていたため、上体(胴体)が緊張感で硬直した状態でシュート態勢に入り、股関節と骨盤、骨盤と肋骨とが分離せず、股間と脚の可動範囲が限定され、GKにシュートのコースを読まれてしまった、と私はそう感じました。
ストライカーに求められる資質にヘディングによるシュートがあります。特にジャンプヘッドの場合、相手GKやDFは背が高くヘッドが得意な選手が多いので、相手に競り勝つのは容易ではありません。しかし、ストライカーにもハーフナーのように上背に恵まれている選手もいますが、背が低くとも二段ロケットを思わすプレーをする選手もいるのです。
技術的には、脚の力によって跳ぶように思われますが、実際にはムダな緊張のない胴体の力と骨盤の仙骨の締めと股関節のとらえの組み合わせでジャンプすると、身体全体はフワリと浮き上がり、よりスピーディーに動くし視界が広くなるので、ジャンピング・ヘッドがしやすくなるのです。そのためにも気功で丹田にエネルギーを蓄え、意念で気を体内に流し、柔らかくて強く安定感のあるのに軽やかな動きができるよう筋肉を操作するコトがストライカーに求められる身体的内部感覚なのです。
日本の選手のようにスピードのあるプレーをすると、どうしても体の一部または全体に、緊張で力んでしまいがちになります、そのために筋肉の連動に虚ができて、スピードが失速したり、シュートが思うようにきまらない原因にもなるのです。
日本代表の場合DFをもっと強化するコトとアタッカーの守備の負担を軽減するコトでゴールにより執着できるのでは、と考えられます。その結果、いつかこの問題も解消できるようになるのでは、と私は考えています。
「チョッと」という片仮名の無声音の小文字の感覚が、内部感覚であり、「チョッと」意識に変化をいれて、カラダを操作するだけで、大きな力にもなるのです。
この内部感覚の「見えない動き」をマスターするには、まず見える動きを掘り下げるコトからはじめれば、それほど難しくはないのです。と申しますのは、身体の根幹となる「胴体」の動きは3つしかないのです。その3つとは、[丸める/反る][伸ばす/縮める][捻り]です。あらゆる動きはこの3つのバリエーションにすぎないのです。ですから、これを徹底的に磨けば、動きの質は間違いなく向上し、このコトをチョッと意識するだけでも、動きが変わるのです。そうなればあらゆる状況においても、適切な判断で対応できるプレーが可能になる、というコトです。
グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ
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