
こんにちは! 蜻蛉です。日ごとに冷気が加わってきているようです。早いもので、平成24年(2012年)も残り後2ヶ月ですが、この『蜻蛉ちゃんのサッカー』のブログも後2ヶ月で1周年になります。今後ともよろしくお付き合いさせて下さい。
日本サッカー協会は、11月14日(マスカット・オマーン)に予定されている、FIFA・W杯ブラジル大会の出場権をかけたアジア最終予選対オマーン戦に出場する、日本代表選手(海外組)18人を発表しました。
残念ながら、そのメンバーリストには、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)所属の香川真司選手の名が載っていませんでした。その理由は、彼が、先日23日の欧州CL対プラガ(ポルトガル)戦で負傷し、そのケガの回復(オマーン戦まで)は不可能という診断の結果によるものでした。
さて、きょうは香川選手のケガの話題と私自身のケガの経験について、話し合いたいと思います。
香川のケガ(プラガ戦にて)は、味方が失ったボールを奪回するため、ドリブルしながらボールをキープしていた相手選手の背後からスライディングタックルした際に起きたコトです。(そのケガは左膝内側靭帯損傷で全治3〜4週間と診断された)
香川のこのケガは予告されていたようです。と申しますのは、9月6日のキリン・チャレンジカップのUAE戦に先初で出場しましたが後半岡崎と交代。11日のアジア予選のイラク戦にはベンチ外(理由は腰痛が原因とのコト)でした。マンUでは、2〜3試合欠場して、CLに出場。再度日本代表の試合に招集され、欧州での、10月12日のフランス戦16日のブラジル戦にフル出場。マンUに復帰して、リーグ戦では、再度ベンチ入りしたものの、出場の機会なく、CLのプラガ戦でアピールするチャンスが訪れたのですが、ケガで退場せざるを得なかったというわけです。
「香川選手のケガは予告されていた」と私は前に述べました。そのわけは、私自身、日本にての現役時代、約10年間、腰痛に悩まされ続けたコト、ペルーでは、日本のサッカーで体験したコトのない、あたりの激しいサッカーでケガさせられたコト、それに指導者として「プレーとケガの関係」について、個人的に勉強してきたコトなどから、サッカーの指導者として、技術や戦術面同様、体力面のカラダの機能やケガについては、大変敏感になっていました。
前回慶応義塾大学ソッカー部、須田監督のコトで述べましたように、香川選手のコトも、ペルーにてドイツでの彼の活躍ぶりをTVで何度も観てきていましたので、彼の動向についても注目していました。
その本人香川が腰痛で欠場したときには、嫌な予感がしていました。あの時に、このブログで腰痛について載せようと考えていましたが、余計な不吉なコトを心配する必要はない、と思いとどまり載せませんでした。
サッカー選手のおもなケガは関節と筋肉で、特に腰から下位の腰、股関節、脚、膝、足首、足のトラブルが多いようです。
香川選手の腰痛は、腰という字を「月(にくづき)」に「要(かなめ)」と書くように、身体の中心的な役目があるので、単に筋肉だけでなく、身体を形作る骨格の状態も含めて意識しなければなりません。
サッカー選手の腰の痛みで、場所を特定すると、5つの腰椎の2番か3番に絡んでいる可能性が高いようです。例えば、腰椎の変位が元で周囲の筋肉・靭帯が疲弊している場合や変位が元で腰椎から出ている神経根が圧迫している場合などが挙げられます。
この他に、骨盤の狂いも考えられます。
腰の動きが悪くなると、サッカー選手の腰はプレーする動きの要ですから、スムースな動きが制限されます。
カラダがしなやかな動きをする場合、各関節が少しずつ動き、それぞれが引っかかり(虚が)なく、しかもうまく連動し合うコトが必要です。それで周囲の筋肉がうまくサポートして、重心の移動をスムースに行うコトが可能になるのです。
腰をいったん痛めると癖になるようです。私もサッカーの練習で痛みを感じなくても、一度休憩して腰を冷やすと腰椎と骨盤の筋肉が癒着したようになり、カラダが温まるまで、思うように動かせなかった経験があります。ひどい時には、夜寝てて頭の天辺から足の指先まで痛みが走り寝るコトができませんでした。
そのとき、整体術の療術師、(故)車谷先生にたった1回の施術で矯正してもらいました。今の療術師と違って、どこが痛いのか、質問したり触ったりしないで、まったく痛みを感じさせないで癒してくれたのです。その際に、自分で矯正する方法も教えてもらいました経験があります。
香川選手の腰痛の原因は、おそらく“ドルトムント”で大活躍した後、日本代表に招集されて合宿、W杯予選に突入、それと同時期に、マンUというビッグクラブに移籍、マンUでは、シーズンオフの休養とプレシーズンの体力的な準備が不十分なまま南アフリカや中国にプレシーズンマッチのために遠征。シーズンに入って、マンUの活動と日本代表の活動、その間、東日本被災地訪問、TVや雑誌の宣伝用撮影やインタビュー等々、環境の変化と頻繁な移動と活動というように、彼自身が調整(コントロール)しなければならないほど、ハードスケジュールで緊張を強いられていたようです。
乗り物の移動の場合、長時間座る姿勢が強いられ、腰痛の原因にもなります。緊張が続けば、少し少しストレスが溜まってきますので、これも腰痛の原因になります。移動と食事の変化も、生理的に胃腸に変化(弱るコト)をもたらすコトも腰痛の原因になります。
香川は、プラガ戦にて、スライディングタックルで膝を傷めましたが、フランス戦かブラジル戦でもスライディングタックルして、イエローカードをもらっています。彼がもし冷静にプレーしていれば、あのようなタックルをする必要はなかったはず、と思えるほど、無謀な行為であったように私は感じていました。
現在のルールは背後からのタックルはたとえボールに触っても身体に絡めばファールをとられ、しかも警告をうけるコトもあるのです。
私は選手たちに、ボールをタッチラインの外に蹴りだす以外、「ピッチ内で寝るな!」と指導してきました。
と言いますのは、私がペルーでプレーしていたころ考えた、PKをとる方法(ペナルティエリア内で、ドリブルで抜き去る際、ボールを足先で軽く突き、その間カラダを一瞬止め、相手のタックルを誘い、私の足に当たるようにする行為)で、実際にPKをとったコトがあるからです。
腰の歪みやズレの狂いは股関節や膝の動きにも関わってきます。膝関節が体重を支え、カラダの動きに大きく関係するコトは他のスポーツを見ても分かります。そのため膝には各方面からストレスがかかるコトになり、それが膝関節の痛みや狂いにつながっているのです。
膝が痛くなるのは、前後だけではありません、内側や外側の場合もあるのです。日常生活での膝の動きは前後ですので、膝の側面を痛めるコトは少ないのですが、しかしサッカーのようなスポーツの場合は、いろいろな方向に動くコトがあり、その際には横方向へも負荷がかかるコトになります。膝関節は屈曲の際にわずかに回旋しますが、それが関節の遊びとなって、このような場合にうまく負荷を逃がすコトができます。ただ、当然ですがそれには限界があり、屈曲のような大きな角度で動くコトはありません。ですから、その範囲を超える負荷がかかったり、常に異常な方向から負荷がかかり続けているようでは、膝を支える靭帯や筋肉、あるいは関節そのモノにダメージを与えるコトになります。
香川選手の場合は、ストレスからくる疲労と腰痛の歪みが、無意識に彼の判断と動作にズレができて、運悪く、あのプレーにて、タックルのタイミングのズレによる膝のケガ、という大きな代償を払わされたようです。
香川選手に限らず、最近は、サムライジャパンのケガ人が目立って増えているようです。私の住むペルー代表もケガ人が続出し、理想的なコンディションで、W杯南米予選で苦戦しているコトからも、選手のコンディショニングが、如何に重要か、香川選手を例にして、取り上げてみました。
私が、サッカーとは無縁の気功や中国拳法を導入しようと試みているのも、自分のカラダについて、自分自身で操れるよう、真剣に取り組んでもらいたい、という願いがあるからこそです。
このブログを通して、引き続き私のアイディアを、みなさんに伝えていきたいと思っておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
最後に、マンUのファーガソン監督は「香川は、長距離移動や体調面での疲れを自分自身で把握(コントロール)しきれていないのだ。それがチームとしても不安材料であるのは確かだ」と語っています。
この言葉は香川にとっても代表召集にプレッシャーがかけられたように思います。代表のキャプテン長谷部選手もクラブの監督から構想外選手としてプレッシャーをかけられ、長い間ベンチ入りもできなかったようでしたが、幸いにも、監督が更迭され、代理が長谷部をレギュラーとして使うになりました。
この監督更迭劇も、長谷部の件と関わりがありそうですね。(これは私の観測です)他の欧州で活躍する選手たちにとっても、この件はヒトゴトではありません。
グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ
前回、慶応大の決勝点を決めた選手の名前が誤りでしたので訂正します:
磨見選手(誤) 武藤選手(正)