Japan Soccer 50年

2012年11月29日木曜日

英語(外国語)教育とサッカー 1/2


こんにちは! 蜻蛉です。 J1リーグは、仙台が地元で新潟に0−1で敗れ、地元でC大阪に4−1で勝った広島が1節を残し初優勝しました。

 J2リーグの3‾6位によるプレイオフも、6位の大分が5位の千葉に1−0で勝ち、大分がJ1への昇格を決めました。

敗者の仙台も千葉も大変残念でしたが、これが「意外性の芸術」とまで言われるサッカー競技の、恐ろしさであり、面白さなのだ、というコトを顕著に感じさせる試合の結果であったように思われます。

さて、前回2回に分けて、「フィジカルトレーナーの使命」について述べました。私が日本に一時帰国して以来、日本サッカーとその他のスポーツを垣間見てきて、日本人の技術は、外観的には素晴らしいように見えますが、内部感覚の視点から覗きますと、根本的な「何か」が足りないように感じています。

その足りない「何か」のひとつが「フィジカル」であり「フィットネス」にある、というコトです。基本技術にしても、その基礎はカラダというフィジカル面での「身のこなし方」にあるはずです。

ゴルフに例えれば、日本人と韓国人のゴルファーを比較してみると、根本的な技術の差を感じさせます。不安定な日本人に対して、安定感のある韓国人ゴルファーが大半のカップ戦を制覇しているのは、本当の意味での基礎体力に裏付けされた基礎技術があるからこそ結果として現れているのだ、と私はそう感じています。

先日TVにて、学校の「英語教育」をテーマにして、「小学1年生から英語の授業」とか「英語だけでの授業」等々について、専門家を交えて論議しておりました。

これらの問題は、国際交流の多くなった日本サッカー界というかスポーツ界にも直接関係するコトです。偶然にも、私が執筆している『サッカー文化と異文化の内外相合』という題名の原稿に、「英語教育とサッカー」という1項を載せていますので、その一部を抜粋して皆さんに紹介したいと思います。

「日本人の英語はよくわからなかった」

この言葉は、2002年日韓共同開催FIFA・W杯サッカーの大会を取材していた、外国人記者の批評のひとつだったのです。

彼らにとって、W杯の運営はすべてにおいて、実に快適だったようです。日本人の親切な態度やサービス(世話)、そして、時間に対する厳格さなどは、文句なしにベタホメでした。しかし、彼らにとって一番困ったのは、やはり日本人とのコミュニケーションにおける、言葉に問題があったようです。

言葉の問題については、むかしから取り上げられていたコトですし、これからも容易に解決できる問題ではないコトかと思われます。なぜならば、日本語の性格は、二重構造からくる曖昧さと、文法的にも発音においても、外国語と親戚をもたないまったく異なる言葉だからです。ですから、日本語で考え、そして、外国語で同時に話すなどは容易ではありません。

「サッカー選手になるには、中学生から始めたのでは遅すぎる」、この言葉は、来日した、外人コーチの共通した忠告でした。しかも、彼らは、学校で習うサッカーについても限界があるコトも指摘していました。

私がストリートサッカーを繰り返し強調しているのは、言葉に置き換えれば、日常会話や日常用語を、家庭や普段の生活の中で、自然に習得していく過程と一緒だ、と思うからです。ある国で生まれた子どもたちは、その国の言葉を、普通誰でもが、話せるし、別に学校で習わなくても喋れるはずです。

言葉と同じように、サッカーは学校やクラブで習わなくても、近所の仲間と、道端、公園、広場、空き地、海岸などでのゲームでサッカー選手の素養は自然と身につけられるのです。

英語でもその他の外国語であっても、聞き取れて話せるというコトが、その後、どれだけ有利に展開するか、体験した人たちはよく理解していると思います。聞く コトと話すコトは、建築や大工のための、道具であり用具であるはずです。極端で失礼な言い方になりますが、日本の英語教育は、道具や用具なしでモノを作ろうとしているのではないでしょうか? (次回につづく)

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

2012年11月24日土曜日

フィジカルトレーナーの使命 2/2


 こんにちは! 蜻蛉です。 今日は国立競技場で、Jリーグ昇格を賭けた大事な一戦、J2の千葉対大分、の試合が行われます。、生憎の雨ですが、現在両チームの持っている力を存分に発揮し、悔いのない試合ができますよう健闘を祈っています。


 さて、きょうは前回に引き続き、サッカーの「フィジカルトレーナーの使命」について述べたいと思います。

 前回のつづき:

 フィジカルトレーナーはたとえアマチュアであっても、選手という人間の生命をあずかるのですから、その仕事の使命は、プロと同様重大です。日本の学校では、おそらく、コーチか先生または生徒がその使命というか役割を受け持っているコトでしょう。

 フィジカルトレーニングは医学的にも生理学や心理学と密接に関係しています。もちろん技術や戦術にも関係しています。ですから、監督やコーチの立場とは別の角度から客観的に観られる専門トレーナーが絶対に必要なのです。

 学校では部の予算に限度があり、良いと思っても、グラウンドの芝生と同様に、実現させるのは困難を要していると思います。そのかわりに、フィジカルトレーニングの講習を受けた体育大学の学生に実習指導してもらうのはどうでしょうか?

 2001年11月、ペルーのリマ市で、FIFA公認インストラクターである、ミリヤン・ミリヤニッチ(元ユーゴスラビア)の特別講習会がありました。

その講習会にて、青少年の育成とその指導で重視していかなければならない幾つかの課題を挙げました。そのなかで彼は、

 「プレーヤーの体力および精神面での回復は大変重要な課題である」

コトを特に強調していました。

 サッカーのレベルを上げるには、フィジカルトレーニングが重要であるコトを前に述べていますが、同様に、トレーナーの使命は、人の生命をあずかり、創造性の開発から人格形成にも関わる、大変デリケートな仕事で、責任の重い仕事でもあるのです。そのため、練習や試合だけでなく、選手の私生活から普段の行動まで考えて管理しなければなりません。特に、選手の健康状態を知るためには、医師の協力が絶対に必要です。また、チームを受け持つ監督やコーチとの連携と相互理解も不可欠なのです。

 繰り返しますが、日本のサッカー界がフィジカルトレーニングとフィジカルトレーナーの仕事の重要性を理解し認めて、一般の各クラブや学校の部活動にその専任者が当たるようになれば、それだけでも日本サッカーのレベルは高揚します。また、監督やコーチのレベルも相当に上がります。それに日本人は向上心がありますから、フィジカルトレーニングも外国でできた理論だけに頼らず、独自の理論を確立できるようになるコトが期待できます。

 

 エネルギーの再生や回復を生理学的角度から研究されていますが、気功と中国拳法の技を活かすコトによって容易にクリアーできる可能性もあります。

 これまでのサッカーは、頭や心で考えて、行動に移してきていますが、私が考案している『土俗的な忍者式サッカー』の真髄は、「モノゴトを腹に考えさせ、腹で行動せよ!」という「腹」すなわち「丹田」の哲学なのです。

 その哲学で武装した土俗的な忍者こそ、日本サッカーが理想とする選手の姿です。

 グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

ありがとう! つぎの機会にお会いしましょう。という意味のスペイン語です。 

2012年11月23日金曜日

フィジカルトレーナーの使命 1/2


 現在、日本人で、サッカーのフィジカルトレーナーの仕事をしている方がおられますが、外国のようなプロの専業トレーナーをされておられるのでしょうか?また、サッカー専門のフィジカルトレーナーの講習会や資格制度は日本にあるのでしょうか? なぜこのような質問をするのでしょうか?
こんにちは! 蜻蛉です。冷え込みが厳しくなってきましたが、皆さんお元気ですか? 私はこの寒さにもめげず?半袖のシャツ姿で毎朝近くの公園に行って、気功、階段の昇り降り、ランニング、ウオーキングなどでカラダとメンタルを鍛えて?います。お陰で、今のところ体調がよろしいようです。

 さてきょうは、少し話題を変えまして、私がペルーで執筆した『土俗的な忍者式サッカー』という題名の本(出版予定?)の原稿に記載している一項「フィジカルトレーナーの使命」を皆さんに紹介したいと思います。

 

サッカーの技術を向上させるのには、その基礎となる、フィットネスが必要です。また、フィットネスと技術が向上すれば戦術の水準も向上します。高度な戦術を求めるには、さらに高度なフィットネスと技術が要求される。というように、技術・戦術・フィットネスは、相互に干渉作用しながら、相乗的に累積効果をあげ、向上していくのです。

 フィットネスという用語は日本語で体力と言う意味で使われていますが、本来は適当とか適合または能力とか健康という意味です。体力は運動とかスポーツそのモノの目的ではなく、ある目的を達成させるための手段としての機能です。

 スポーツの定義が広がるにつけて、体力が身体だけに限らず、精神的な要素も加えられてきたコトから、体力という用語が身体または肉体的な意味にのみ解釈されるのを避けるため、現在まで日本語としての適切な言葉がないため、英語のフィットネスをそのまま使用しているようです。


 その理由は、ペルーサッカー界で専門職としてトレーナーの仕事をしている人はたくさんいますが、次のような問題があるのです。フィジカルトレーナーの使命と責任が監督やコーチによく理解されていない場合と、逆に、フィジカルトレーナーが理解していないケースもあるコトです。

 たとえば技術や戦術練習の前、トレーナーは、監督やコーチから「このような練習をするから、選手たちのコンディションを、その時間までに整えてほしい」、と指示を受けます。それにもかかわらず、トレーナーが指示されたコトを無視するコトがあります。また逆に、トレーナーが指示を受けたとおりに準備したのにもかかわらず、その練習内容を替えてしまう監督やコーチもいるのです。

 このような例は、両者の連携がとれていない、理解していない、あるいは信頼していないなどで起こるケースです。

 その場合の犠牲者は誰なのか? それは選手たちです。このような準備段階でのズレとか狂いが、つぎの試合の結果に現れるし、選手の体力やケガにも関係してくるのです。

 日本のサッカーをさらに高い水準に上げるには、フィジカルトレーナーが監督やコーチと同様に、専門職として認識されなければ優れたトレーナーは育ちません。もちろん優れた監督やコーチも育ちません。その結果ととして、優れた選手も育たないコトになるのです。

 プロの外人監督が、アシスタントコーチだけでなくフィジカルトレーナーを指名するのは、これらの理由からです。監督がいくら技術や戦術の指導が優秀であっても、これらを支えるフィットネスが伴わなければ、一時的な結果を出せても次第に下降線をたどってしまいます。過去に名声を残した選手が、自分の体験を信頼して指導する場合に、よく陥るケースです。 

 フィジカルトレーニングが技術や戦術を支えているように、日本サッカー界のJリーグの1部と2部は、ユース・ジュニアのほか、JSLや一般・企業・大学・高校・中学・小学校等のクラブにより支えられているのです。支えている同士が結束されれば、日本サッカー界をさらに改革できる、と私はそう信じています。(つづく)

 グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

2012年11月16日金曜日

ザックジャパン VS オマーン 観戦記


こんにちは! 蜻蛉です。 「勝ちました!!ザックジャパン」 私は生まれて初めて日本代表チームのユニフォームを着て、TVの画面の前で応援しました。



 さてきょうは、昨夜(14日)中東オマーンのマスカットで行われた、2014FIFA・W杯(ブラジル開催)アジア最終予選、日本代表対オマーン戦のコトについて、話し合いたいと思います。

 正直なところ、私は日本が「勝つ」とは期待していませんでした。「引き分けならば満足だ」ぐらいに思っていました。しかしその結果は、予想を上回る、2−1という、好ましい結果(勝利)を出してくれました。

 今回の予選の目標は、W杯本大会出場権(キップ)を獲得するコトが第一.、それと並行して、本大会までに、世界の強豪と伍して戦えるだけのレベル向上を目指すコトであったように思われます。

ザックジャパンは、この2つの大目標を達成すべく、これまで邁進してきていますが、今回の勝利によって、第一の目標はほぼ達成できたようです。

昨日の試合を観戦して私が感じたコトは、日本が良かったというより、ホームのゲームとは思えないような、オマーンの中途半端で不甲斐ない戦いぶりでした。

この試合の日本スタメン(交代選手)は、GK川島、DF(右から)酒井宏樹、吉田、今野、長友、MF(ボランチ)長谷部、遠藤(高橋)、(アタッカー右から)清武(細貝)、本田、岡崎、FW前田(酒井高徳)。

試合開始早々に、日本は大ピンチ、オマーンの選手は右サイドから抜け出て、ゴールライン沿いから無人のゴール前にグラウンダーのクロス、そこに飛び込んできた選手がダイレクトシュートしましたが、バーを越えて得点にはなりませんでした。

このシュート失敗が勝負の明暗を分けてしまった、と言えるほど容易に得点できると思われたシーンでした。

日本は、前半16分に、右からのクロスをMF岡崎がヘディングシュートしたあたりから攻撃のリズムが出てきました。

前半20分、日本は中盤からDF今野が、左サイドラインを走り抜けるDF長友に縦パスを送り、絶妙なトラップをした長友はゴール前にクロス、相手DFの足に当たりゴール前にこぼれるところにMF清武が飛び込んで左足でプッシュして先制点を決めました。
日本はこの1点を守り前半を終了。

心配されていた猛暑の影響があったのは、エースのMF本田とDFの要の吉田が目立ったようで、その他の選手はそれほど影響を受けたと思われるような感じはしませんでした。

前半戦で驚いたのは、ホームのオマーンが攻撃を仕掛けないで、逆に、日本に攻撃させ、カウンターを狙う作戦に出たコトです。これで日本は自分たちのペースで試合運びができた分、猛暑によるエネルギーの消耗をある程度抑えるコトができたようです。

後半戦は照明がつき、気温も下がってきたコトで日本の選手に有利になったように思われます。それにオマーンのカウンターを防ぐために、日本の得意な横パスを少なくして、果敢に相手のDFラインの裏にパスしたり、くさびのパスを入れたりして、相手の出鼻を挫(くじ)く作戦が功を制したのか、オマーンがなかなか得意の速攻が活かせなかったようです。この縦へのパスは、ザッケーローニ監督が選手たちに以前から指示していたコトです。パスは不正確でしたが、監督の意図が選手たちに浸透したように感じていました。

ところが、後半30分過ぎ、左サイドを突破したDF長友がクロスしたボールが相手DFにカットされ、速攻のカウンターを食らい、DF吉田が相手を制止させるために反則をおかし、オマーンにフリーキック(FK)を与えました。

この吉田の反則はしょうがないと思われたでしょうが、私は彼自身が正常な状態だったら反則しなくとも防げたと感じました。この試合の吉田は、判断力がまったくと言えるほど機能していない、と私は感じていました。猛暑の影響だけでなく、イングランドの彼の所属しているクラブでのプレーにしてもあまり機能していないようで、彼自身、プレーに(スランプのような)迷いがあるようにも感じました。

このFKに対し、4人の壁で対応しましたが、相手のキッカーが蹴った瞬間、(ゴールから見て)左端の選手(岡崎?)がジャンプした足元を通過して、GK川島の左にシュートが突き刺さり、同点ゴールを許してしまいました。

この得点までの経過から覗くと3つのエラーが日本側にあったようです。その1つは、容易にカウンターを許してしまったコト、2つ目は、吉田のエラー、3つ目は、壁の選手のエラー(壁は動いてはならないはずです)、というように、エラーが連鎖した、と思われます。

この試合の最後に、日本に幸運をもたらしてくれたのは、内田篤人選手のケガによる欠場で、最後に、急遽召集された酒井高徳選手でした。

ザック監督が最初の交代選手FW前田に代え、DFの酒井を指名し、ポジションを左サイドバックに、長友を左のMFに前進させ、その後、MF清武に代えてMFボランチ細貝が入り、遠藤をトップ下に前進させ、本田のワントップ、右のMFアタッカーに岡崎、というように、選手のポジションを大幅に変えました。

それが結果を出すとは想像もつかなかったのですが、後半44分、左サイドから酒井高徳がスピードのあるドリブルで相手のマークを交わし、ゴールライン際からドリブン(ライナー性)のクロスを入れ、遠藤が予測していたかのように二アポストの手前に飛び込み、飛び蹴りのようにして右足のアウトでかすめゴール前に流し、そこに飛び込んできた岡崎がカラダを投げ出すように左足でプッシュし決勝ゴールを決めました。

前回のブログでサムライブルーではなくザックジャパンとしたのは、今回のサムライブルーは選手たちの力だけでは解決できない、多くの難しい問題があり過ぎて、その課題を克服するには、監督の手腕に頼らなければならないという理由からです。

幸いにも監督のヒラメキが、日本の勝利を導いてくれたと私は感謝しております。

一方のオマーンのルグエン(フランス人)監督のホームらしからぬ消極的な采配には疑問を感じました。

 2002年の日韓共催FIFA・W杯の日本対トルコ戦でのトルシーエ(フランス人)監督の率いる日本代表も、それまでの試合振りと打って変わり、今回のオマーンのようであったコトが想い出されます。

この試合の90分を通して、オマーンの選手から、「1位の日本を蹴落としてやろう」、という気迫がまったく感じ取れなかったのも、監督自身の、この試合にかける、意欲が選手たちに伝わらなかったようにも思えます。

ルグエン監督は「現実を直視しなければならない。我々は非常に優れたチームと対戦した」という談話を試合後に述べていますが、如何にもフランス人らしい表現で、選手たちの意欲を焚きつけるような言動が現れていない感じがしました。

日本選手のプレーで疑問に感じたコトは、おそらく監督がもっと「ボールを前に放り込め」という指示があったかもしれませんが、相手のオマーンが引いて前に出てこないのに、なぜ前にパスを入れなければならないのか?、というコトでした。

勝っている試合なのに、余分なリスクと体力消耗という悪循環を、自ら作り出しているプレーには、まったく理解できません。たとえ監督が指示していても、その場での状況判断は選手自身にあるべき、そこに外人監督の指示の意図と日本の選手の受け取り方というか認識の仕方の差があるようにも感じました。

エースの本田ですが、気温が30‾40度Cも違う環境に放り込まれ、調整時間もなくいきなり厳しい90分の試合をするのは酷である、と同情せざるを得ません。

本田は確かに本来のエースらしいプレーはできませんでした。しかし、その苦しさを表面に出さず、90分間ピッチで黙々と耐え、チームプレーに徹していた姿に、彼のエースとしての責任感が感じとれました。

他に個人的にも注文をつけたい選手もいますが、今回は余計なコトだと思いますので、後ほどの機会に述べることにします。

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

2012年11月14日水曜日

サムライブルーは中東の猛暑に耐えられるだろうか?


今回の日本代表の主力選手は、この「猛暑」に対する準備ができていない状態で、本拠地で無敗のオマーンに対して、どこまで耐えるコトができるのか? ただでさえ難しい敵地での戦いに加え、試合時間が午後3時半で、気温がC40度前後という酷暑の中で、ピッチの11人の選手が90分間集中力を保てるのかどうか?


こんにちは! 蜻蛉です。 期待されたフットサル日本代表は、後半戦に素晴らしい勢いでウクライナ代表を追い上げましたが、前半の大量失点(0−6)がたたり、3−6で敗れました。しかし負けたとはいえ、フットサル日本の明日の可能性を感じさせる、立派な試合をしてくれました。

さて、日本サッカー界にとって明暗を握るとも言える試合が、明日(14日)の午後3時半(日本時間の午後8時半)、炎天下の中東オマーン(マスカット)にて、2014年ブラジル開催FIFA・W杯アジア最終予選の後期第1戦、サムライブルー日本(1位、勝ち点10)がオマーン(2位、勝ち点5)と対戦します。

きょうは、表題に示しました「猛暑」という、外的なファクター(要素、素因、要因)が、どれほど試合の結果に影響を及ぼすか? その問題について話し合いたいと思います。

私が住んでいるペルーの首都リマは太平洋に面していますが、南米大陸を縦断する有名なアンデス山脈には、クスコ、アレキーパー、プーノ、ワンカーヨ、アヤクーチョ、カハマルカといった海抜3千メーター前後に位置するペルーの主要都市があります。それに、赤道に近い猛暑の、海岸地帯のピウラ、アマゾン川流域のイキートスやプカルパといった都市もあります。

ペルーのプロサッカーチームは、戦術、技術、体力といったサッカーの3大要素に加え、高地対策、猛暑対策といった2次的な要素をも考慮した練習や試合の計画を立て準備しなければならないのです。

たとえば、現在南米でもW杯の予選(ブラジルを除く、9ヶ国2回戦総当たり)が行われていますが、ボリビアのラパス、エクアドルのキトー、コロンビアのボゴタといった高原都市での試合もあり、他の国の代表チームを悩まさせているのです。

小野や高原等の日本代表選手がエクアドル開催のFIFA・W杯U−17出場のため、時差調整にてリマで合宿した際、日本サッカー協会のスタッフの方から、「高地対策」「猛暑対策」「時差の対策」といった、3つの資料を私はいただきました。

その資料の「対猛暑編」には、特に、灼熱による脱水症状とそれの予防と対応策が記載されていました。その資料は手元にはありませんが、酸素と気圧に関係する高地と同様に、猛暑の対応も短期間で順応させるのは、相当に厳しい条件であると考えられます。


それに今回のオマーンは、現在1位の日本を追う立場にあり、充分すぎるほどのモチベーションがあるコト。一部の情報によれば、オマーンは国を挙げて、日本にプレッシャーをかける戦略を考えているようです。

どう考えても、サムライたちが日本や欧州で戦うような、ゲームを支配する動きのある展開ができるとは思えません。むしろ体力の消耗を避けるために、無駄な動きをできるだけ少なくし、隙をつくらぬよう守備を固めながら時間を上手に操作し、わずかなチャンス(セットプレーも含めて)を活かして結果を出す以外、日本代表の現在の状態から見て、勝つ方法はないと思われます。

セットプレーといえば、オマーンにとっても得点のチャンスですから、パッシングゴール同様またはそれ以上十分警戒しなければなりません。どちらにせよ、ピッチの11人が集中力を高め、たとえ1人でも虚をつくらせないようにするコトです。

ザッケローニ監督がどのような作戦を練っているのか? それに個々の選手が、この暑さにどれだけ耐えうるのだろうか?これは監督自身もはかりえない課題です。それだけにこの試合の予想は立て難い、と言わざるを得ないのです。

トルコ開催のFIFA・W杯U−20のアジア予選に出場している日本代表U−19は、アラブ首長国連邦(UAE)にて、準々決勝でイラクに敗れ、三回連続出場権を逸したそうですが、やはり猛暑の影響が多少なりともあったようです。

今回の試合は、同じような条件の、ヨルダンとイラク戦が後に控えているコトからして、猛暑の中で、サムライブルー日本がどう戦うか? それがザックジャパンの見どころだと思います。

日本代表の選手たちには、ぜひ後の残りの試合に繋がる、猛暑を吹き飛ばすような逞しい試合をしてもらいたい、と願いをこめてこのページを閉じることにします。

「がんばれ!! サムライブルー、ザックジャパン」

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

2012年11月11日日曜日

対オマーン戦を前にしたザックジャパン


こんにちは! 蜻蛉です。 秋晴れの済んだ空の下、みなさん元気にお過ごしのことと察します。 2012年も残すところ、あとわずかになりましが、サッカーファンにとってこの時期は、楽しみである反面、気がかりな面がある、と察します。
 その楽しみと気がかりの両面をもった大事な試合の一つ、FIFA・W杯アジア最終予選、サムライブルー日本対オマーン戦が、来週の水曜日(14日)オマーンのマスカットにて行われます。

きょうはその試合について話し合いたいと思います。表題に「ザックジャパン」としたのは、今回の試合ほど、「アルベルト・ザッケローニ日本代表監督自身の手腕というか戦略が試される大事な試合はない」、と私は観測しているからです。

今回の試合は、この予選の折り返しの第1戦であるコト、それに中東のヨルダンとイラクとのアウエー戦が後に控えているコト、それに選手たちのコンディションが前期に比べて良くないコト(主力の欠場も含めて)など、気がかりな面があるコトが、そのまま監督の重要な課題になっているのでは、と私は予測しています。

それに、冷気の漂う欧州や日本の環境でプレーしている選手たちが、中東のような猛暑の環境と時差に、数日で順応できるのかどうか?それも気がかりです。

この予選前期の日本は、欧州組の選手たちが休暇で、気がかりなく代表の練習に集中でき、しかもエースの本田が復帰し、チーム内の雰囲気をガラリと変え、選手間のコミュニケーション(意志の疎通)が良くなり、ゲームにおいても、その効果が顕著に現れていました。

しかし今回は、香川と内田がケガで離脱し、宇佐美貴史と酒井高徳が招集されましたが、ザック監督は「2年たっても大きく成長していない。現在やっているコトは、2年前できていたコトをやっているだけだ」と、若手選手の出場機会がない理由とチーム内での競争力の乏しさに対し、厳しい評価をしています。

代表選手たちは長年一緒にプレーしてきた仲間であっても、その期間は、クラブ内の選手たちと比較したら、ほんの僅かでしかない。そのようなバラバラなコンディションの選手たちを、アウエーの試合で勝てるように、数日で纏めあげるというコトは、監督とコーチングスタッフにとって、至難の業。もちろん、選手同士にとっても同じ悩みであるはずです。

それに、主力選手たちの怪我(ケガ)と海外の若手選手等が各々のクラブでフル出場していない、という現実問題もザックジャパンの悩みであるはずです。

そのような負の加重をかかえたチームをどのようにプラス志向に導くのか、そこに監督の手腕が期待されるのです。

ザック監督に私が期待しているのは、イタリア人らしいリアリズム(現実主義)なサッカーを披露してほしい、というコトです。それに、勝ち点1または3の結果を出してもらいたい、という注文です。

その結果を出すためには、守備を堅くして相手に得点を許さないコト、逆にオマーンの守備の隙を狙ってカウンター攻撃で勝負(対フランス戦のように)するコト、というアウエー戦法の常識を適用するコトです。

「早く出場権を獲得したいから」、と勝ちを急ぐと、逆に相手のカウンターの速攻を受け、取り返しのつかない得点を相手に献上するコトになります。それだけは絶対にあってはならないのです。

この予選はチャンピオン戦ではなく、グループ戦の2位までダイレクトに出場権が与えられているので、無理して勝つ必要はないはずです。とは言うモノの、そのカギは監督が握っているのです。

現在の日本代表は、グループ1位、2位と勝ち点5の差をつけていますが、もし負けるとその差が2になります。

日本の残りの試合は、中東でのアウエー戦ヨルダンとイラクの2試合に、ホームでの強敵オーストラリア戦ですから、大変厳しい状況下に置かれてしまいます。

ですから、日本が出場権を確かなモノにするためには、勝ち点1(引き分け)だけは、ぜひ勝ち取って欲しいところです。

以上が蜻蛉のツブヤキです。

「がんばれ!! サムライブルー、ザックジャパン」

忘れてならないのは、タイで開催されているFIFA・W杯フットサルで活躍している日本代表チームへの応援です。

「がんばれ!! フットサル日本代表」

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

前回の誤りの訂正: タイトルと(う)偉業  (誤)

          タイトルと(いう)偉業 (正)

          ルールを(始め)かなり異なって (誤)

          ルールを(はじめ)かなり異なって(正)

          それ以上続ける(のと)、余計な (誤)

          それ以上続ける(と)、余計な  (正)

2012年11月6日火曜日

フットサルはサッカーに役立つだろうか?


こんにちは! 蜻蛉です。 連休は如何でしたか? 昨日は快晴に恵まれ、40数年ぶりに東京駒沢陸上競技場に行き、関東大学サッカーリーグ戦、母校慶応義塾大学対神奈川大学の試合を観戦してきました。結果は4−0で慶大が勝利、降格圏から少し遠のいたようで、ホッとしました。

 先週の土曜日(3日)第20回ナビスコカップ決勝鹿島アントラーズ対清水エスパルスの試合が超満員の国立競技場で行われ、鹿島が柴崎の活躍で、延長戦の末、2−1(90分は1−1)で優勝杯を獲得。16回目のタイトル獲得とう偉業を成し遂げました。おめでとうございます。

全国高校サッカーの予選にても各地の代表が続々と名乗りを上げています。Jリーグ優勝争いと残留争い、J2の昇格争いと残留争い等々、サッカー界もクライマックスで話題が尽きません。

話題と言えば、先週から始まった、FIFA・W杯フットサル、タイ大会も、今回、日本サッカー界の大スター“カズ”三浦知良(45歳)選手が出場する日本代表も大変注目されています。

1次リーグ第1戦のブラジルには1−4で敗戦しましたが、第2戦の強敵ポルトガル戦で、3点のビハインドを跳ね返し、5−5の引き分けに持ち込んだ粘りは素晴らしかったですね。第3戦のリビア戦の結果次第で、日本代表初の決勝トーナメント進出という、嬉しい話題も提供してくれています。

さて、きょうはこのフットサルの練習がサッカー選手にとって、プラスになるかどうか?について話し合いたいと思います。

現在世界的に注目されている若手のタレント、ブラジル代表でサントスFCのFWネイマル選手の「華麗なドリブルやその他のプレーはフットサルで磨いたモノだ」と言い伝えられています。

またブラジルの世界的なサッカーのスター、ロナウディーニョも、ジュニアのころフットサルのゲームで鍛えられていた様子がTVでも放映されています。

一方ブラジルの、フットサルの世界的なスター、ファルカンは以前、サッカー界にデビューするかも、というニュースがありましたが、実現しませんでした。

ペルーでも一時期、サッカーの練習にフットサルを導入すべきだ、という積極的な意見もあり、元ペルー代表サッカーのチーム対フットサル代表チームによるフットサルのエキジビションマッチをTV放映し盛り上げていたコトがあります。

アマチュアクラブの指導者の中にも熱心な人がいて、いち早く取り入れて、その成果が現れているようなコトなども伝えられていました。

ペルーのサッカーはスピードと早いタッチプレーが欠けているので、フットサルで改善していこうと、協会の幹部連中は考えていたようです。

しかし、私の考えは、ボール扱いの苦手な者には適しているけれど、将来プロや一流のサッカー選手になろうと考えている中学生以上の子ども達には、かえって弊害になる怖れがある、というのが持論です。

なぜなら、サッカー選手の根源は「接触プレーに慣れるコト」と、考えていますので、フットサルは接触プレーは禁止され、早いタッチプレーで、プレッシャーの感触や感覚がサッカーとは違うし、ボールの大きさ重さ、床やコンクリートと芝生や土の違い、人数も5人と11人というように、プレーの性格や感覚が違い過ぎる点に、問題があるのです。

もちろん、素早い判断力やボールタッチのプレーという点での良い面もあります。もしサッカーのための練習ならば、サッカーのルールを採用してゲームを行うのであれば、良い結果が出るかもしれません。

私が特に日本サッカーに奨めたいのは、気のエネルギーのタンクである丹田(ヘソの下あたりに位置)を中心にして、走る、キック、トラップ、ヘッド、ドリブルするように習慣づけるコトで、軽い足先のプレーをしないようにするコトです。

私自身もペルーに来て10年ぐらいまでは、フルビート(ペルー式ミニサッカー)を日本のサッカーのために学んでもらいたいと考えていました。

しかし指導者のライセンスを取得し現場で指導するようになって、サッカー選手にとってフルビートは良い面もあるけれど悪い面があるコトにも気づきました。

それ以来、私が指導している選手たちにはフルビートを禁止(実際は隠れてプレーしていたのですが)させました。選手は「やっていない」、と言ってもゲームをすれば、ボールを受けるときの体勢にその癖が出てしまうので分かるのです。

サッカーで一流だったカズにしても、フットサルでは、バスケットボールのようなサインプレーや攻守の入れ替わりが激しい細かな連係プレーに戸惑っているようです。

しかし、サッカーの選手もその違いを理解して切り替えに成功できれば、将来元プロサッカー選手にも新たな道が開かれる可能性がある、と私は思います。ただし、逆のケースの成功はないとは言えませんが、その可能性は薄いのでは、と思います。  
     

その理由は、フットサルはサッカー同様ボールを足や頭で操作するのは同じであっても、ゲームの性格はルールを始めかなり異なっているコトにあるのです。その差の違いを理解した上で、独創的なゲームを構築すれば、サッカーに応用できるだろう、とも考えています。

ストリートサッカーとフットサルも同じとは言えませんが、どちらも12歳までが限界で、それ以上続けるのと、余計な悪癖がつき、その後、それを直すのに苦労させられるハメになります。

ネイマル、ロナウディーニョ、メッシにしても、ストリートサッカーにてその個性的な素材が磨かれていたのですが、足の裏を使ったボール操作は、フットサルで身につけた、と言えるでしょう。

サッカーのために、フットサルは直接役立つか?という問いに対しては、結論的なコトは言えませんが、現段階では、それほど役立っていないのでは、というのが私の見解です。

私の見解には納得できない、という人もあって当然です。見落としてほしくないのは、ゲームの条件を変えて、サッカーの要素を増やせば、逆に、大いに役立つ、というコトです。

どちらにしても、カズ選手の年齢もさることながら、日本フットサル界の発展のため、という大局的な名目での、彼自身の新たな挑戦に敬意を表したいと思います。それに、彼の深いサッカー愛には敬服しております。

また、日本代表フットサルチームが、このW杯で好成績を残されるコトを祈って、このページを閉じたいと思います。

 「ガンバレ!! フットサル日本代表」

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

前回の誤り訂正: 

長谷部選手をレギュラーとして(使う)になりました。 (誤)

長谷部選手をレギュラーとして(使うよう)になりました。(正)

2012年11月1日木曜日

サッカー選手の怪我(ケガ)について


こんにちは! 蜻蛉です。日ごとに冷気が加わってきているようです。早いもので、平成24年(2012年)も残り後2ヶ月ですが、この『蜻蛉ちゃんのサッカー』のブログも後2ヶ月で1周年になります。今後ともよろしくお付き合いさせて下さい。
日本サッカー協会は、11月14日(マスカット・オマーン)に予定されている、FIFA・W杯ブラジル大会の出場権をかけたアジア最終予選対オマーン戦に出場する、日本代表選手(海外組)18人を発表しました。


残念ながら、そのメンバーリストには、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)所属の香川真司選手の名が載っていませんでした。その理由は、彼が、先日23日の欧州CL対プラガ(ポルトガル)戦で負傷し、そのケガの回復(オマーン戦まで)は不可能という診断の結果によるものでした。

さて、きょうは香川選手のケガの話題と私自身のケガの経験について、話し合いたいと思います。

香川のケガ(プラガ戦にて)は、味方が失ったボールを奪回するため、ドリブルしながらボールをキープしていた相手選手の背後からスライディングタックルした際に起きたコトです。(そのケガは左膝内側靭帯損傷で全治3〜4週間と診断された)

香川のこのケガは予告されていたようです。と申しますのは、9月6日のキリン・チャレンジカップのUAE戦に先初で出場しましたが後半岡崎と交代。11日のアジア予選のイラク戦にはベンチ外(理由は腰痛が原因とのコト)でした。マンUでは、2〜3試合欠場して、CLに出場。再度日本代表の試合に招集され、欧州での、10月12日のフランス戦16日のブラジル戦にフル出場。マンUに復帰して、リーグ戦では、再度ベンチ入りしたものの、出場の機会なく、CLのプラガ戦でアピールするチャンスが訪れたのですが、ケガで退場せざるを得なかったというわけです。

「香川選手のケガは予告されていた」と私は前に述べました。そのわけは、私自身、日本にての現役時代、約10年間、腰痛に悩まされ続けたコト、ペルーでは、日本のサッカーで体験したコトのない、あたりの激しいサッカーでケガさせられたコト、それに指導者として「プレーとケガの関係」について、個人的に勉強してきたコトなどから、サッカーの指導者として、技術や戦術面同様、体力面のカラダの機能やケガについては、大変敏感になっていました。

前回慶応義塾大学ソッカー部、須田監督のコトで述べましたように、香川選手のコトも、ペルーにてドイツでの彼の活躍ぶりをTVで何度も観てきていましたので、彼の動向についても注目していました。

その本人香川が腰痛で欠場したときには、嫌な予感がしていました。あの時に、このブログで腰痛について載せようと考えていましたが、余計な不吉なコトを心配する必要はない、と思いとどまり載せませんでした。

サッカー選手のおもなケガは関節と筋肉で、特に腰から下位の腰、股関節、脚、膝、足首、足のトラブルが多いようです。

香川選手の腰痛は、腰という字を「月(にくづき)」に「要(かなめ)」と書くように、身体の中心的な役目があるので、単に筋肉だけでなく、身体を形作る骨格の状態も含めて意識しなければなりません。

サッカー選手の腰の痛みで、場所を特定すると、5つの腰椎の2番か3番に絡んでいる可能性が高いようです。例えば、腰椎の変位が元で周囲の筋肉・靭帯が疲弊している場合や変位が元で腰椎から出ている神経根が圧迫している場合などが挙げられます。
この他に、骨盤の狂いも考えられます。

腰の動きが悪くなると、サッカー選手の腰はプレーする動きの要ですから、スムースな動きが制限されます。

カラダがしなやかな動きをする場合、各関節が少しずつ動き、それぞれが引っかかり(虚が)なく、しかもうまく連動し合うコトが必要です。それで周囲の筋肉がうまくサポートして、重心の移動をスムースに行うコトが可能になるのです。

腰をいったん痛めると癖になるようです。私もサッカーの練習で痛みを感じなくても、一度休憩して腰を冷やすと腰椎と骨盤の筋肉が癒着したようになり、カラダが温まるまで、思うように動かせなかった経験があります。ひどい時には、夜寝てて頭の天辺から足の指先まで痛みが走り寝るコトができませんでした。

そのとき、整体術の療術師、(故)車谷先生にたった1回の施術で矯正してもらいました。今の療術師と違って、どこが痛いのか、質問したり触ったりしないで、まったく痛みを感じさせないで癒してくれたのです。その際に、自分で矯正する方法も教えてもらいました経験があります。

香川選手の腰痛の原因は、おそらく“ドルトムント”で大活躍した後、日本代表に招集されて合宿、W杯予選に突入、それと同時期に、マンUというビッグクラブに移籍、マンUでは、シーズンオフの休養とプレシーズンの体力的な準備が不十分なまま南アフリカや中国にプレシーズンマッチのために遠征。シーズンに入って、マンUの活動と日本代表の活動、その間、東日本被災地訪問、TVや雑誌の宣伝用撮影やインタビュー等々、環境の変化と頻繁な移動と活動というように、彼自身が調整(コントロール)しなければならないほど、ハードスケジュールで緊張を強いられていたようです。

乗り物の移動の場合、長時間座る姿勢が強いられ、腰痛の原因にもなります。緊張が続けば、少し少しストレスが溜まってきますので、これも腰痛の原因になります。移動と食事の変化も、生理的に胃腸に変化(弱るコト)をもたらすコトも腰痛の原因になります。

香川は、プラガ戦にて、スライディングタックルで膝を傷めましたが、フランス戦かブラジル戦でもスライディングタックルして、イエローカードをもらっています。彼がもし冷静にプレーしていれば、あのようなタックルをする必要はなかったはず、と思えるほど、無謀な行為であったように私は感じていました。

現在のルールは背後からのタックルはたとえボールに触っても身体に絡めばファールをとられ、しかも警告をうけるコトもあるのです。

私は選手たちに、ボールをタッチラインの外に蹴りだす以外、「ピッチ内で寝るな!」と指導してきました。

と言いますのは、私がペルーでプレーしていたころ考えた、PKをとる方法(ペナルティエリア内で、ドリブルで抜き去る際、ボールを足先で軽く突き、その間カラダを一瞬止め、相手のタックルを誘い、私の足に当たるようにする行為)で、実際にPKをとったコトがあるからです。

腰の歪みやズレの狂いは股関節や膝の動きにも関わってきます。膝関節が体重を支え、カラダの動きに大きく関係するコトは他のスポーツを見ても分かります。そのため膝には各方面からストレスがかかるコトになり、それが膝関節の痛みや狂いにつながっているのです。

膝が痛くなるのは、前後だけではありません、内側や外側の場合もあるのです。日常生活での膝の動きは前後ですので、膝の側面を痛めるコトは少ないのですが、しかしサッカーのようなスポーツの場合は、いろいろな方向に動くコトがあり、その際には横方向へも負荷がかかるコトになります。膝関節は屈曲の際にわずかに回旋しますが、それが関節の遊びとなって、このような場合にうまく負荷を逃がすコトができます。ただ、当然ですがそれには限界があり、屈曲のような大きな角度で動くコトはありません。ですから、その範囲を超える負荷がかかったり、常に異常な方向から負荷がかかり続けているようでは、膝を支える靭帯や筋肉、あるいは関節そのモノにダメージを与えるコトになります。

香川選手の場合は、ストレスからくる疲労と腰痛の歪みが、無意識に彼の判断と動作にズレができて、運悪く、あのプレーにて、タックルのタイミングのズレによる膝のケガ、という大きな代償を払わされたようです。

香川選手に限らず、最近は、サムライジャパンのケガ人が目立って増えているようです。私の住むペルー代表もケガ人が続出し、理想的なコンディションで、W杯南米予選で苦戦しているコトからも、選手のコンディショニングが、如何に重要か、香川選手を例にして、取り上げてみました。

私が、サッカーとは無縁の気功や中国拳法を導入しようと試みているのも、自分のカラダについて、自分自身で操れるよう、真剣に取り組んでもらいたい、という願いがあるからこそです。

このブログを通して、引き続き私のアイディアを、みなさんに伝えていきたいと思っておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。

最後に、マンUのファーガソン監督は「香川は、長距離移動や体調面での疲れを自分自身で把握(コントロール)しきれていないのだ。それがチームとしても不安材料であるのは確かだ」と語っています。

この言葉は香川にとっても代表召集にプレッシャーがかけられたように思います。代表のキャプテン長谷部選手もクラブの監督から構想外選手としてプレッシャーをかけられ、長い間ベンチ入りもできなかったようでしたが、幸いにも、監督が更迭され、代理が長谷部をレギュラーとして使うになりました。

この監督更迭劇も、長谷部の件と関わりがありそうですね。(これは私の観測です)他の欧州で活躍する選手たちにとっても、この件はヒトゴトではありません。

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

前回、慶応大の決勝点を決めた選手の名前が誤りでしたので訂正します:

磨見選手(誤)      武藤選手(正)