Japan Soccer 50年

2012年11月6日火曜日

フットサルはサッカーに役立つだろうか?


こんにちは! 蜻蛉です。 連休は如何でしたか? 昨日は快晴に恵まれ、40数年ぶりに東京駒沢陸上競技場に行き、関東大学サッカーリーグ戦、母校慶応義塾大学対神奈川大学の試合を観戦してきました。結果は4−0で慶大が勝利、降格圏から少し遠のいたようで、ホッとしました。

 先週の土曜日(3日)第20回ナビスコカップ決勝鹿島アントラーズ対清水エスパルスの試合が超満員の国立競技場で行われ、鹿島が柴崎の活躍で、延長戦の末、2−1(90分は1−1)で優勝杯を獲得。16回目のタイトル獲得とう偉業を成し遂げました。おめでとうございます。

全国高校サッカーの予選にても各地の代表が続々と名乗りを上げています。Jリーグ優勝争いと残留争い、J2の昇格争いと残留争い等々、サッカー界もクライマックスで話題が尽きません。

話題と言えば、先週から始まった、FIFA・W杯フットサル、タイ大会も、今回、日本サッカー界の大スター“カズ”三浦知良(45歳)選手が出場する日本代表も大変注目されています。

1次リーグ第1戦のブラジルには1−4で敗戦しましたが、第2戦の強敵ポルトガル戦で、3点のビハインドを跳ね返し、5−5の引き分けに持ち込んだ粘りは素晴らしかったですね。第3戦のリビア戦の結果次第で、日本代表初の決勝トーナメント進出という、嬉しい話題も提供してくれています。

さて、きょうはこのフットサルの練習がサッカー選手にとって、プラスになるかどうか?について話し合いたいと思います。

現在世界的に注目されている若手のタレント、ブラジル代表でサントスFCのFWネイマル選手の「華麗なドリブルやその他のプレーはフットサルで磨いたモノだ」と言い伝えられています。

またブラジルの世界的なサッカーのスター、ロナウディーニョも、ジュニアのころフットサルのゲームで鍛えられていた様子がTVでも放映されています。

一方ブラジルの、フットサルの世界的なスター、ファルカンは以前、サッカー界にデビューするかも、というニュースがありましたが、実現しませんでした。

ペルーでも一時期、サッカーの練習にフットサルを導入すべきだ、という積極的な意見もあり、元ペルー代表サッカーのチーム対フットサル代表チームによるフットサルのエキジビションマッチをTV放映し盛り上げていたコトがあります。

アマチュアクラブの指導者の中にも熱心な人がいて、いち早く取り入れて、その成果が現れているようなコトなども伝えられていました。

ペルーのサッカーはスピードと早いタッチプレーが欠けているので、フットサルで改善していこうと、協会の幹部連中は考えていたようです。

しかし、私の考えは、ボール扱いの苦手な者には適しているけれど、将来プロや一流のサッカー選手になろうと考えている中学生以上の子ども達には、かえって弊害になる怖れがある、というのが持論です。

なぜなら、サッカー選手の根源は「接触プレーに慣れるコト」と、考えていますので、フットサルは接触プレーは禁止され、早いタッチプレーで、プレッシャーの感触や感覚がサッカーとは違うし、ボールの大きさ重さ、床やコンクリートと芝生や土の違い、人数も5人と11人というように、プレーの性格や感覚が違い過ぎる点に、問題があるのです。

もちろん、素早い判断力やボールタッチのプレーという点での良い面もあります。もしサッカーのための練習ならば、サッカーのルールを採用してゲームを行うのであれば、良い結果が出るかもしれません。

私が特に日本サッカーに奨めたいのは、気のエネルギーのタンクである丹田(ヘソの下あたりに位置)を中心にして、走る、キック、トラップ、ヘッド、ドリブルするように習慣づけるコトで、軽い足先のプレーをしないようにするコトです。

私自身もペルーに来て10年ぐらいまでは、フルビート(ペルー式ミニサッカー)を日本のサッカーのために学んでもらいたいと考えていました。

しかし指導者のライセンスを取得し現場で指導するようになって、サッカー選手にとってフルビートは良い面もあるけれど悪い面があるコトにも気づきました。

それ以来、私が指導している選手たちにはフルビートを禁止(実際は隠れてプレーしていたのですが)させました。選手は「やっていない」、と言ってもゲームをすれば、ボールを受けるときの体勢にその癖が出てしまうので分かるのです。

サッカーで一流だったカズにしても、フットサルでは、バスケットボールのようなサインプレーや攻守の入れ替わりが激しい細かな連係プレーに戸惑っているようです。

しかし、サッカーの選手もその違いを理解して切り替えに成功できれば、将来元プロサッカー選手にも新たな道が開かれる可能性がある、と私は思います。ただし、逆のケースの成功はないとは言えませんが、その可能性は薄いのでは、と思います。  
     

その理由は、フットサルはサッカー同様ボールを足や頭で操作するのは同じであっても、ゲームの性格はルールを始めかなり異なっているコトにあるのです。その差の違いを理解した上で、独創的なゲームを構築すれば、サッカーに応用できるだろう、とも考えています。

ストリートサッカーとフットサルも同じとは言えませんが、どちらも12歳までが限界で、それ以上続けるのと、余計な悪癖がつき、その後、それを直すのに苦労させられるハメになります。

ネイマル、ロナウディーニョ、メッシにしても、ストリートサッカーにてその個性的な素材が磨かれていたのですが、足の裏を使ったボール操作は、フットサルで身につけた、と言えるでしょう。

サッカーのために、フットサルは直接役立つか?という問いに対しては、結論的なコトは言えませんが、現段階では、それほど役立っていないのでは、というのが私の見解です。

私の見解には納得できない、という人もあって当然です。見落としてほしくないのは、ゲームの条件を変えて、サッカーの要素を増やせば、逆に、大いに役立つ、というコトです。

どちらにしても、カズ選手の年齢もさることながら、日本フットサル界の発展のため、という大局的な名目での、彼自身の新たな挑戦に敬意を表したいと思います。それに、彼の深いサッカー愛には敬服しております。

また、日本代表フットサルチームが、このW杯で好成績を残されるコトを祈って、このページを閉じたいと思います。

 「ガンバレ!! フットサル日本代表」

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

前回の誤り訂正: 

長谷部選手をレギュラーとして(使う)になりました。 (誤)

長谷部選手をレギュラーとして(使うよう)になりました。(正)

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