
もうそんな時が経過しているのか?と不思議な感じがしました。と申しますのは、我々の仲間たちは、現在も何らかの形でサッカーと関係しているせいか、表面的には変わっていても、サッカー談義している姿は、昔と変わらない情熱というかある種のエネルギーを感じました。
高校といえば、昨日は全日本高校女子選手権の決勝戦が、静岡県の磐田市にある磐田スポーツ交流の里“ゆめりあ”で行われ、常盤木学園高校(宮城)が2−0で神村学園高校に勝って、2連覇を達成しました。大変素晴らしい試合で、未来のなでしこに光明を与えてくれました。
明日は、大雪のため1週間順延になっていました全国高校選手権の決勝が国立にて、京都橘高校(京都)対鵬翔高校(宮崎)が行われます。女子の試合に負けないよう両校の健闘を期待しましょう。
さてきょうは、私自身がサッカーの指導者としてペルーで学んできた経験で得た、サッカーの選手のタレント性を見極める8つのポイントを述べてみたいと思います。
その中から、現在の日本サッカーの問題点を抽出して、将来に向けての課題を取り上げてみようと考えました。これらのポイントは私がチームの監督としての立場から覗いたモノです。
サッカー選手を能力を見極める重要なポイント:
テクニック:パス(キック・ヘディング)、ドリブルやトラップといった基礎プレーの技術。
スキル:の技術を実戦で活用する器用さがある。
根気:粘り強く、最後までボール、または、勝負を諦めない。
気質が強い:勝ちたいという気持ちの有無(度合い)。
インテリジェント:監督やコーチの指示やゲーム展開をキチンと理解できる。
心身のバランス:健康で情緒が安定している。
本能的:予想外の展開に感覚的に対応できる。
特殊な才能:何かひとつの技術で人並み外れた才能がある。
以上8つのポイントに絞って、日本のサッカーを覗いてみて(一昨年の8月にペルーから一時帰国して以来今日まで観戦してきた試合)感じた点を忌憚なく述べてみますと、つぎのようになります。
日本サッカーのトップから若年層まで、1と2のテクニックとスキルに関しましては、格段に進歩しているし、世界的にも十分通用すると感じています。ただし、南米の選手と比較して、プレッシャーに対しての球際での強さという要素において不十分さがみられます。
3と4に関しては、高校サッカーにも現れていますように、日本人の勤勉さが反映した長所であると感じております。
5と6については、日本人は心身のバランスがとれていてインテリジェンスで申し分ないのですが、真面目で忠実な性格で多少遊びの精神に欠けるという点で、サッカーのゲームで必要な駆け引きの面から見たインテリジェントが不足しているように感じています。
7と8に関してこそ、日本サッカーが抱え続けてきた重要な問題点なのですが、優れた才能を引き出す指導者と環境というか土壌がないように感じています。
私が日本に帰国して以来、一度も戦術の本を読んでいませんでしたが、本屋さんには戦術の本がたくさんあるのには驚きました。日本にいた頃は、サッカーの指導者間では、戦術に対する関心が強かったような記憶がありますが、そのコトに関する書籍は少なかったようにも覚えております。
ある日私は、喫茶店でコーヒーを飲みながら、私が構想しているサッカーについて記載しているノートをチェックするつもりでいたのですが満席で、空席を待つため、たまたま近くの本屋に飛び込んで手に取ったのが、『サッカー批評』という双葉社発行の雑誌でした。
日本代表がフランスとブラジルと対戦した批評が記載されていたので、どういう見方や考え方をしているのか、参考のためにと思い、その雑誌を購入して、喫茶店で読んでみました。
この書に記載されているコトで、ここで特に取り上げてみたいのは、対ブラジル戦での批評に、
「日本の攻撃はディフェンスラインの手前までは運べていたのだから、日本は最後の一線を突破できれば完璧だったのだが、その回数は少なかった。ここが確認できた課題である」
この課題こそ7と8のポイントで、ストライカー不在という問題とも関連しているのです。昨日の高校女子のサッカーでも同様、確かにゴールの手前まで完璧?にパスをつなげるコトはできるようになっているのです。しかし、サッカーで最も肝腎な「ゴール」という目的につながらない点に、日本サッカーの重大な問題の要因と要素があるのです。そこに日本と世界のトップクラスとの差があるのです。
蜻蛉の目から見て、それは容易に解決できる課題ではないと思っています。そのコトについても後日に取り上げてみたいと考えています。
グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ!
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