
私が期待していた通り、両チームの選手たちは資力を尽くして、最後まで素晴らしいゲームを展開してくれました。不毛の地と思われていた宮崎県のチームが優勝したコトは喜ばしい出来事です。
試合の結果は2−2(延長戦0−0)の同点で、PK戦に入り、橘のキャプテンでチームのエース仙頭選手が最初に蹴ったボールが右ポストに当たってゴールならず、その失点が致命傷となり5−3で橘は不運にも負けていまいました。不運といえば、橘は2−1で勝っていたのですが、終了間際に、相手にPKを与えて、同点にされたコトは、悔やまれたコトでしょう。
技術的な角度からそのPKの反則をおかした選手の状況を再現して覗きますと、反則になるようなタックルをする必要はなかった、と感じました。相手選手は、ドリブルから、まだシュート体勢に入っていないのに、ボールに向かってタックルしようとしていたのですが、その前に相手の体に触れて倒してしまい、主審がPKと判定したわけです。このようなケースはプロの試合でもあります。あの場面では、ボールに直接向かうのではなく、相手がシュート、またはクロスしようとするコースを妨げる(相手とゴールの間に立ちはだかる)だけで、そこでボールを奪う必要はないのです。
さて、前回に私はサッカーの雑誌を買って読んだコトを述べましたが、きょうはそのコトを取り上げて、現在のサッカー関係者がどのような見方、感じ方で、考えているのかを探ってみようと思います。
この雑誌は2012年11月8日(株)双葉社発行『サッカー批評』59号で、内容は、サムライブルーの日本代表が、欧州において、世界の強豪フランス代表とブラジル代表との2連戦したコトに関しての特集でした。表紙には、「ザッケローニを超える日本代表へ」、2014年、ブラジルとの『僅差』を埋めるために必要なこと、「世界の壁」は本当に存在するのか?と記載されています。
この雑誌の目録には:
1. 特集、ザッケローニを超える日本代表へ
2. 「世界の壁」は本当にあるのか?(憂国のジャーナリストが問う)
3. 解けないままの宿題(南アから変わらぬ2つのテーマ)
4. 日本代表の守備はなぜ崩壊したのか?(ディフェンスマスター松田浩監督が分析)
5. 「無謀な挑戦」の光明(愚かな戦いを挑んで見えた攻撃の完成度)
6. ブラジルまでの次なる航路(日本代表の証言から紐解く指標)
7. ザッケローニの手腕とマネジメント(本田ワントップ、ポゼッション傾倒への弊害−徹底討論)
以上の他、フランス人ジャーナリストとブラジルのオリヴェイラ(元鹿島の監督)も記載しています。
これらのコトをすべて取り上げるには、ここでは無理ですので、主なポイントだけを何回かに分けて話し合いたいと考えています。
きょうは、1について、感じたコトを述べてみようと思います。これはあくまでも、私個人の考えですので、「ああそういう見方もあるのか?」ぐらいに取り扱ってくだされば幸いです。
1.には、「日本代表が更なる進化を遂げるために必要なことは何か?」
それはいい意味でザッケローニの発想、規律を選手たちが超えていくコトではないか。(略)アジアの戦いでは個々の力で相手の対策を上回れても、W杯ではより状況判断や戦況に応じた戦い方が必要になってくる。そのためにはチームとしてのハイレベルな実戦経験が欠かせない。
今回、フランス、ブラジルと戦った親善試合は素晴らしいマッチメイクで、非常に有意義なものとなった。やはりこういう経験をどれだけ継続して作っていけるか、そこに我々の本気度が問われている。
本田圭祐はW杯優勝という目標を口にする。長友佑都もしかり。何人かの選手は本気になっている。(略)しかし、多くの親善試合を国内で行い、ごくたまに強豪国と試合をするというのでは、その目標はどうしても限界がある。
(略)しかし、選手だけでなく、日本のサッカー界がこの先本気でW杯優勝を狙うなら、多少の無理をしてでも定期的な強豪国とのマッチメイクを組む覚悟が求められる。
今回の欧州遠征で分かったコトは、現状でつけられている多くの差は「慣れ」の問題が大きいということだ。決して能力部分で大きく劣っていたわけではない。充分互角以上の勝負に持ち込めるはずだ。
もちろん個々の能力と組織として成熟度を磨くコトも必須である。ブラジル大会での優勝は現実的ではないが、前大会以上の成績を目指すためにはまだまだやれるコトがたくさんある。本大会出場が見えてきた今だからこそ、日本代表の総チェックを行いたい。
以上のコトが記載されていました。
日本代表の試合を観戦してきて、選手たちが監督の使命に忠実し過ぎ、それ以上の働きをしているようには感じませんでした。ですから、監督の筋書き通りのゲーム展開したときには、目の覚めるようなプレーでゴールを決めているのに、そうでないときには、平凡なサッカーで、ただ単なる球回しゲームで、結果的にはゴールに結びつかない、という感じがしております。
対戦相手のアジア諸国も、予想していたより、ファイティングスピリットが欠けていて、日本が良かったのではなく、対戦相手国のレベルの低さに原因があるように感じています。どちらにせよ、監督の使命の他に、選手個人の能力による可能性があって、チームへの貢献度を高めるコトがどうしても必要ですから、監督の発想、規律を超えていくコトが欠かせないのです。
この2連戦を素晴らしいマッチメイクで、非常に有意義なものとなった。と褒めていますが、本当にそう思いますか?このコトについては、この後にも記載されていますので、そのときに取り上げてみたいと思います。
選手たちがW杯優勝を口にしていますが、参加するのであれば、選手たちは優勝を目標にするのは当然だと思います。しかし、その前に行われる、コンフェデレーション杯(6月にブラジルで開催)にて、
強豪国相手に試合ができるのですから、それまでに日本の選手が準備できるのは、所属しているクラブで出場して、どれだけレベルアップできるかが問題のはずです。
強豪国を相手にしなければ、レベルアップできないと考えるところに、日本人自身の問題があるように思われます。極端な言い方になりますが、「外からの刺激がないと反応しない」気質があるようです。
今回のマッチメイクにしても、フランス戦に勝利という結果をだしたからこそ、ブラジル戦の大敗に対しても、「素晴らしいマッチメイクで、非常に有意義なものとなった」という寛容な表現で評価しているのでは、と感じています。これも実に日本人的な表現の仕方だ、と感じました。
「本気でW杯で優勝を狙うなら」の本気とはどういう意味があるのでしょうか?いわゆるホンネとタテマエというコトでしょうか? この表現も日本人らしさのようですね。
今回の遠征でわかったことは、現状でつけられている多くの差は「慣れ」の問題が大きいというコトだそうですが、では慣れたから「互角以上の勝負に持ち込めるはず」と言えるでしょうか?この表現に対しても首を傾げたくなりました。
最後に「個々の能力と組織としての成熟度を磨く」とありますが、これはサッカーに取り組む指導者や選手たちの永遠の課題であると思います。
きょうはこれまでで、次回もこの雑誌の内容をたたき台にして、語り合いたいと思います。
グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ!
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