Japan Soccer 50年

2012年8月13日月曜日

ロンドン五輪サッカー観戦記 (6)




こんにちは! 蜻蛉です。 いよいよ日本サッカー界の五輪史上初めての決勝戦出場で、「なでしこジャパン」がアメリカ代表に勝って、初めての金メダルを獲得するかどうか、節電中の真夜中の午前3時から始まる、この試合のTV実況放送には、サッカーファンだけでなく、日本国民の皆さん方も徹夜で観戦されるコトでしょう。ぜひ勝って金メダル獲得と日章旗を一番高いところに掲げてもらいたいですね。
 さて、観戦記(5)でなでしこジャパンの準決勝についての観戦記と決勝戦の対米国との試合ついての展望を記載しましたが、ここでは、残念ながら準決勝戦で、メキシコに1−3で負け、隣国韓国代表との銅メダルをかけた3位決定戦に挑む、男子日本代表の対メキシコ戦のコトと対韓国戦について話し合いたいと思います。

 日本は前半12分、ペナルティエリアの外、左サイドのMF東からの短い横パスを受けたMF大津は中央から右足でワントラップして、その足でゴールに向けて思いっきりシュート、ボールは強烈な勢いで、ゴールの右隅のネットに刺さる素晴らしい豪快なゴールを決めました。

 この時点から、日本は多少楽観的なムードがただよい、選手たちは連日の積み重なる疲れが出始めだしたのに気づかず、それに、メキシコが少し少しプレッシャーをかけているのに、気がつかないで、同じ調子でプレーしていたため、パスミスやら競り負けたりして、相手のペースにはまってしまいました。

このような疲れは、時計の電池が消耗すると、時計の針の動きが少しずつ遅れるように、パスを出す(受ける)タイミングが意志とは無関係にズレてしまいます。また、疲れから血管に乳酸値が高まりますと、筋肉は柔軟性がなくなり、パフォーマンスが落ち、気持ちと体が同化作用から自然に異化作用が働きだして、プレーに最も必要なクリエイティブな頭の働きが鈍くなってきますから、視野が狭くなり、判断力も落ちて、プレーにも精彩が欠けミスをおかすコトになります。

前半31 分、メキシコは右からのCKが日本選手の頭をカスめて、ゴール正面に飛び込んだ相手のFWにヘッドで決められ同点。

後半20分、日本側に、意外な凡ミスがあって、メキシコに逆転弾を献上してしまいました。メキシコは速いパスで左サイドから攻め、ゴールラインぎりぎりの深い縦パスを、相手の選手は走り込んで、ボールをプルバック、それを受けた選手が直接ゴールに向けて左足でシュート。GK権田は両手でキャッチ。ここまでは問題はなかったのですが、権田は、相手の選手がまだ引いていないのに、近くのMF扇原に手のアンダースローイングでパス、後ろに相手がマークしていたため、無造作に後方に切り返したところ、パスして戻ってきた相手選手にボールを奪われ、右足でボールを押し出し、強烈なミドルシュートをゴール左隅に決められ、1−2の逆転を許してしまいました。
これまでの試合では考えられないGK権田の判断ミスが、MFボランチ扇原のポカミスを呼び、アッという間にゴールされていた、というわけです。それまでの4試合で完封してきた権田にある種の後遺症状態で、無意識に状況を確認せず、習慣的に投げてしまったのでは、と思います。また扇原のプレーはメキシコの選手たちは熟知していて、それにはまってしまったのでは、と言えそうです。駄目押しの3点目は、相手FW1人に3人のDFが阻止できず、ゴール前までドリブルで持ち込まれて、シュートを決められたモノで、ある種の集中力が切れて体が反応しなくなった状態だった、と言えそうです。

この日のスタメンはGK権田、DF酒井宏樹、鈴木、吉田、徳永、MF山口、扇原(斉藤)、清武(宇佐美)、東(杉本)、大津、FW永井。カッコは交代選手。

個別に選手で感じたコトを述べますと、

GK権田は2点目のミスは本人も気づいているコトでしょう。サードオブザピッチのディフェンディングサード(ピッチを3等分した守備側のゾーン)はチョッとしたミスで、相手にゴールを許す、危険な地域です。GKのミスはチームにダメージを与えますから、GKは絶対にミスしてはならない使命があるのです。

DFの酒井はケガから復帰してから精彩を欠き、それが審判に抗議したり相手選手と口論する態度に出ています。冷静さを欠いているわけです。特にマークの仕方はチームで一番落ちる。ドイツのクラブであのような守備をしていたら、レギュラーの座は保証されません。鈴木はこれまで良かったのですが、酒井のマークが緩めば、それだけ彼自身に負担がかかってくるのです。一つの虚がチームの崩壊につながるのです。吉田もチームの機能が狂っていては、どうにもならない状態であったようです。徳永もこの試合のできは一番悪かったようです。

MF山口は普通のできでしたが、相棒の扇原のプレーがスピードを欠き、うまく連動できなかったようです。扇原はあの痛恨のミスでチームは負けたコトを反省し、逆に、二度と繰り返さないよう、今後の教訓として生かしてもらいたいです。清武も東も、これまでのプレーと比べれば、この試合が一番悪かった。大津はゴールを決め、動きがシャープで自信をもってプレーしていました。

永井はケガで出場できないと思われていましたが、トップに置いたのが失敗だったように思われます。彼のよなスピードのあるプレーヤーは、少し後方に位置して、影からサッと飛び出すようにすれば、もっと相手の守備を脅かせたのでは、と私は感じましたが、皆さんはどう思われますか?

メキシコのサッカーは地道にレベルを上げてきています。またメキシコはコパ・アメリカ(南米選手権)、コパ・リベルタドーレス(南米クラブ選手権)、コパ・スーダアメリカ(南米クラブ選手権)に、北米・中南米唯一の国として参加して、南米諸国の強豪と試合をし、力をつけてきていますから、決勝の対戦相手ブラジルとも互角の勝負をすると思います。

さて、宿敵韓国と銀メダルをかける日本ですが、どれだけ精神的、肉体的疲労が回復するかが問題です。韓国の日本に対するライバル意識が強いか、日本の韓国に対するライバル意識が強いかが、技術以上に、試合の展開と結果に現れてくるような気がします。韓国はメダルを取れば、徴兵から免れ、しかも、日本より高い報奨金が払われるそうですから、かなり強い刺激のあるモチベーションになると思われます。ですから、日本も相当がんばらないと勝つのはむずかしいようです。しかし、スペイン戦からエジプト戦までに見せたサッカーをすれば、必ず勝機があります。対メキシコ戦の敗戦ショックと疲労の回復が勝利のカギになると予想しております。ぜひ、このチャンスを活かし、韓国に勝って、メキシコ五輪以来の銅メダルを獲得してくれるよう、選手たちも最後の力を振絞ってくれるコトを期待しています。

この試合も11日の午前3時からTV放送されるそうです。寝不足で体を壊さないようお互いに気をつけましょう。

「がんばれ! 日本サッカー」

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

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