
金メダルをかけて戦う対戦相手はアメリカに決まりましたが、カナダと延長戦の末、ロスタイムに決勝点を決め、4−3という激戦で辛うじて勝利。
なでしこの佐々木監督も選手たちも、金メダルを最初から目指していましたので、彼女らの望みがかなえられるよう祈りましょう。
さて、きょうは男子のメキシコとメダルをかけた準決勝の試合があります。
隣国のライバル韓国も開催国の英国を相手に1−1の後のPK戦で5−4にて勝利、ホンジュラスに3−2で勝利した、金メダル候補筆頭のサッカー王国ブラジルと対戦します。同じアジアの韓国にも勝ってもらい、五輪史上はじめてのアジア同士の対決も夢ではありません。
日本サッカーが世界のトップクラスと肩を並べるには、アジア諸国のレベルが高くなるコトが欠かせません。おそらく皆さんはブラジルとの対決を望んでおられるでしょうが。
きょうの話題は、先日の男子準々決勝、日本対エジプトの試合について取り上げてみたいと思います。
結果は3−0で日本が勝ちましたが、点数の差に関係なく、エジプトもスピードとテクニックを駆使して、日本のゴールを脅かす激しいゲームを展開していました。
日本の勝因は、前半14分、MF清武が相手陣内中央の右サイドタッチライン際で、相手のボールを奪い、抜き出て直ぐ、右足でゴール前中央ぺナルティエリアラインに入った辺りに、アーリークロスのパスを入れ、相手GKとDFがボールに向かって移動していたところに快速ランナー永井が間一髪で競り勝ち、無人のゴールに右足でシュートを決め先行し、その後の展開にユトリを与えてくれたコトです。
絶好調の永井が負傷というアクシデンテで退場、という代償を払わされてしまいましたが、永井の代わり入った斉藤も俊足で、前半40分、相手陣内のペナルティエリアの外で相手を抜き去るところ、相手に後ろから倒され、その選手はレッドカードで退場というオマケが日本有利に導きました。
永井不在の日本はリズムが落ち、相手にボールを支配される時間が長かったのですが、後半戦は、数的有利を生かした日本は、軽快なリズムを取り戻し、パスを回して、相手の焦りによるファールを誘発し、後半33分に右サイドでFKがあり、清武が、相手に意表を突く、二アポストへドリブン(低い弾道の)クロス、DF吉田がそれに頭で合わせてシュートを決め2−0と相手を突き放し、後半38分にも左サイドからMF扇原が左足でゴール前に絶妙なクロスを入れ、FW大津が相手バック2人の間に割り込み、強烈なヘッドで3−0の駄目押し点を決め、日本は準決勝にコマを進めました。
この日のスタメンは、GK権田、DF酒井宏樹、鈴木、吉田、徳永、MF山口、扇原、清武(宇佐美)、東(酒井高徳)、永井(斉藤)FW(大津)。カッコは内交代選手。
GK権田はこの試合でも安定したプレーで活躍。チームの仲間や監督に信頼感を与えています。
DF酒井宏樹は負傷回復後で彼本来のプレーではなかった。鈴木は吉田の影で目立たないが、バックの要の一人として十分過ぎるほど活躍している。キャプテン吉田は、攻守にわたって活躍、待望のゴールを決め、リーダーとして、五輪の経験者として、トップチームの選手として、吉田イズムをチーム内に浸透させていると感ずるほど、選手の言動とプレーの中味の変化が顕著に現れています。徳永もオーバーエイジの貫禄を示すプレーで活躍。
MF(ボランチ)山口の運動量は素晴らしい。攻守にわたってチームにエネルギーを注入しています。扇原はなでしこの宮間のように、キックが正確、大津へのクロスも絶妙でした。
MF(アタッカー)清武は絶好調、モロッコ戦とこの日の永井へのパスは絶妙でした。またFKの吉田へのクロスもお見事。積極的にシュートも狙う姿勢は、彼のドイツのクラブへの移籍と五輪がモチベーションとなって、試合ごとに成長しているな、と感ずるほど伸びています。東も五輪に入ってからの成長株で、ケガの回復が心配されます。永井は誰もが認める成長株の筆頭。やはりケガの回復が心配です。
FW大津の存在も特筆されるほど、逞しくストライカーへと成長しています。
途中交代で出場した、斉藤、酒井高徳、宇佐美、もスタメンと変わらないプレーで存在感を示していました。
このチームの活躍は、これまでの試合で、失点0という数字に示されているように、GK,とDF,とMF(ボランチ)が一体になり、相互の連携と集中力にコントロールを維持し、相手の攻撃に時間と空間の余裕を与えないところに、成果が現れているようです。もちろん他のMFとFWの前線からのプレッシャーも、より防御を堅固にさせているのです。
攻撃に関しては、速いワンタッチにパウサを交え、長・中・短距離の正確なパスを横だけでなく、縦にもダイアゴナルにも、変化を入れ、永井のようなゴールが生まれているのです。セットプレーも見逃せません。それにバック同士の間合いを入れたパス(ただの時間稼ぎではありません)が、味方の選手をリフレッシュさせ、リズムを変え、相手を引き出す効果もあるわけです。
若い選手同士でプレーすると、どうしても一本調子になりがちで、ただ単にパス回しで終始してしまいがちになります。その点、吉田の間合いの取り方は絶妙です。
それが、チーム全体に落ち着きを与えているのです。もう一つ忘れてならないコトは、ドリブルで相手の守備網を突破するコトです。南米では、そのドリブルを、ラ・ガンベタ( La gambeta)と言います。それは、相手に囲まれていても、ドリブルで相手をヒラリと交わして抜き去るコトの意味です。
きょうの相手メキシコは、日本のように世界のサッカーを混合させた、アグレッシブなスタイルで、しかも体型が似ていて、やり易そうでいて、実際には難しい対戦相手です。ぜひ勝って、男女揃って決勝に進出し、日本サッカー界のみならず、世界サッカー界の歴史に残る新しい記録を打ち立ててもらいたいですね。
私たちもしっかり応援しましょう。
「がんばれ! 日本サッカー」
グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ
お知らせ: 蜻蛉こと、竹嶋住夫のE-mail は、sumiotakeshima@yahoo.co.jp
0 件のコメント:
コメントを投稿