Japan Soccer 50年

2012年8月7日火曜日

ロンドン五輪サッカー観戦記 (2)

こんにちは! 蜻蛉です。男子日本代表はホンジュラス代表と0−0で引き分け、堂々グループ戦1位で、決勝トーナメントに進出しました。一方なでしこジャパンは南アフリカに0−0で引き分け、グループ戦2位で、決勝トーナメントに進出したものの後味の悪い試合でした。内容はともかくとして、男・女揃ってグループ戦を突破してくれて、皆さんも大変喜んでおられることでしょう。

 さて、きょうは、女子なでしこジャパンの試合に関して話し合いたいと思います。私は昨年8月に、南米ペルーから一時帰国して以来、なでしこジャパンの試合を興味深く見守ってきました。
しかし、対南アフリカ戦前に、2位狙いの試合と控え選手中心で試合するコトが報道され、内心腹立たしく思っていました。

なぜならば、私は、なでしこの選手たちの純粋で直向きなプレーに感動し、これこそ日本サッカーのモデルになると思い、これまで動向を追跡していたからです。

日本の、対カナダと、対スウェーデン戦のスタートメンバーは:

GK福元、DF(右から)近賀、岩清水、熊谷、鮫島、MF(ボランチ)阪口、沢、(アタッカー)宮間、川澄、FW大野、大儀見。 

 カナダ戦での得点は、前半33分、左から沢がダイアゴナルの浮き球で大野にパス、大野はゴールラインを背にして右足でトラップしボールをキープしながら、川澄が外側からオーバーラップしてくるのに合わせて、足の裏で体の後方にパス、川澄はそのボールを受け、ドリブルで持ち込み、角度のない位置から右足でシュート、ボールはファーポストの内側のネットを揺さぶり、幸先の良い先取点を決めました。

この大野の間を置いたプレーこそ、私がこのブログでも主張しています、スペイン語で「パウサ」と呼ばれているプレーです。男子代表の試合でも、このパウサを入れてプレーしていたので、パスが正確で、メリハリがあって、選手一人一人の動きもプレーもスムーズに展開するようになっています。

2点目は前半33分、鮫島の左からゴール前へのクロスを、あいてGKの目測誤りもあって、宮間がヘッドで決め、前半2−0で終了。

後半、左サイドバックの鮫島のミスで相手に右からゴール前にアーリークロスを入れられ、ゴール前で、近賀がマークしていた相手にプッシュされ失点を許してしまいました。私が壮行試合でも心配していました鮫島のプレーによるエラーでした。

これら2試合において、全体的に、なでしこらしさが出ていたのは、対カナダ戦の前半30分以降の15分ぐらいで、サッカーで大事なクリエイティブな面が、まったくと言っていいほど、残りの時間帯に現れていなかったコトです。

個々のプレーで感じたコトは、

GKの福元は手を使わず、足や体でボールを止め、味方の攻撃にブレーキをかけ、相手に帰陣を許してしまう誤りを犯していました。(監督の指示?そうとは思えない)

DFの右サイドバック、近賀がまったく機能していないのはどういうコトなのか? 近賀流と監督に言わせた、攻撃的なプレーがまったくと言っていいほど見られないのはどうしてか?(監督が攻撃を封印したのだろう?)

センターバック岩清水と熊谷は守備としての機能をはたしていますが、特に気になりましたのは、右サイドの近賀にパスしないで、頻繁に左サイドバックの鮫島を使って、攻撃に参加させているのは、どういう意図なのか?(これも監督の指示?)

ボランチの阪口と沢は機能しはじめたようで、阪口のプレーが良くなってきています。そのお陰で沢が攻撃に絡む仕事が可能になっているようです。

さて問題は、キャプテン宮間の動きとプレーです。前の宮間と比べますと、パスの精度がガタ落ちで、ミスパスが多く、動きにも精彩を欠いているのはどうしてなのか?
 おそらくキャプテンとしての気苦労と体力的な疲れが出はじめているように思えてなりません。南アフリカ戦では、リズムに乗れないゲーム運びで、終いにはボランチでプレーしなければならないほど、チーム本来の力が機能せず、ジレンマ(ストレス)があるようにも見えました。

川澄はゴールを決めていますが、左サイドにへばりついて、以前のような大きな動きが見られないのはどうしてでしょうか? 大きな相手にマークされると、突破するのをきらい、切り替えしのプレーをしたり、内側にドリブルしたり、鮫島を前に走らせるだけで、それ以上のプレーをしようという態度が見られません。大野も単発では、よいプレーをしますが、ゴールを決めようという意志が足りません。

トップの大儀見は右サイドが機能していないため、相手にマークされ、味方の援護もなく、相手とのボールの奪い合いで、ゴールに絡む仕事ができないでいるようです。私が主張しているのは沢をボランチでなく、トップ下で仕事をさせるようにすれば、もっと得点力が増すようになるだろう、と私は考えていますが、皆さんはどう考えられますか?

対南アフリカ戦では、大胆にも、近賀、岩清水、熊谷、宮間以外、7人の控え組み全員出場させ、経験を積ませるコトと戦力になる選手を見極める、いわゆる、テストするコト、アメリカのグループを避けるためと移動の負担を回避する手段として2位狙いをするコトが、監督の考えのようでした。

残念なながら、選手に伝える前に、報道陣にもれてしまっていたのです。選手たちは知らずに、そのコトを報道陣から聞いて、驚き監督に直訴し、監督がその真相を選手たちに説明し、表面的には収まったようです。(戦略は公表すべきではない)

これまで佐々木監督の采配には好感をもっていました。しかし、沢のケガと目まい症あたりから、なんとなくチーム内に不協和音が鳴り出し、岩清水、宇津木のケガが重なり、監督としてかなり焦りがあったように思えてなりません。

対南アフリカ戦で選手たちは、サッカーの究極の目的であるゴールするコトを禁止されて、何をせよと指示したのでしょうか? パス回しに終始するつもりだったのでしょうか? もしJリーグだったらどうでしょう?間違いなく制裁を受けるはずです。規定では、ベストメンバーを組むコトと八百長まがいの試合は許されていないはずです。もし対戦相手がこの恩恵を受けたとしたらどうでしょう。事実スペインのW杯でドイツとオーストリアがこのような試合で両チームが決勝トーナメントに進む、屈辱的な問題があったのです。今回は五輪なのでFIFAは介入を避けているようで、特に制裁は受けないようです。

男子の日本対ホンジュラスの試合は、ロスタイムの2‾3分間、両チームが攻撃の姿勢を示さなかった以外、堂々と激しく好試合をやってくれたましたので、楽しく観戦できました。

五輪という大舞台で、どんな理由があるにせよ、高い金を払って試合を観戦してくれている観客に、このような試合を披露してよいのだろうか?

日本サッカー協会が「フェアプレー」を強化指針にまで、載せているのに、その張本人の日本代表がその精神を崩してまでメダルが欲しいののだろうか? 正直に言って、不愉快な気分です。

ブラジルを組み易しと、監督も選手たちも思っているようですが、ブラジルも日本に対して同じように思っているはずです。(ブラジルは次回のW杯と五輪の開催地ですよ)現在の調子では、なでしこの勝機は薄いようです。宮間、近賀、鮫島、それに大儀見がどれだけ回復するかが、なでしこ勝利のカギを握っている、と私は予想しています。

男子の対エジプト戦ですが、2002年の日韓W杯の決勝トーナメントに対戦したトルコと似たチームです。粘りのあるチームは特に警戒しなければなりません。

これまで出場した選手は誰でもが戦力になるコトをグループ戦で示してくれました。PK戦も考えられますので、準備万端、悔いのない試合をして、メダルを獲得してくれるよう、大いに期待しております。

「がんばれ! 日本サッカー」

グラシアス! アスタ・ラ・プロクシマ

お知らせ: 蜻蛉ちゃんこと竹嶋住夫のE-mailをお知らせします。

 

      sumiotakeshima@yahoo.co.jp

      前回、誤字がありましたので、訂正します。

      「彼(吉田)のリーダーとして的確な性格」と記しましたが、的確ではなく「適格」と訂正してください。また、「それほど恐れる相手ではないではない」を「それほど恐れる相手ではない」に訂正してください。

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